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授業情報/Class Information

科目一覧へ戻る/Return to the Course List 2024/04/09 現在/As of 2024/04/09

基本情報/Basic Information

開講科目名
/Course
テクスト研究(芸術?文化) a/TEXT STUDIES (GERMAN ARTS AND CULTURE) a
開講所属
/Course Offered by
外国語学部ドイツ語学科/FOREIGN LANGUAGES GERMAN
ターム?学期
/Term?Semester
2024年度/2024 Academic Year  春学期/SPRING SEMESTER
曜限
/Day, Period
火3/Tue 3
開講区分
/semester offered
春学期/Spring
単位数
/Credits
2.0
学年
/Year
3,4
主担当教員
/Main Instructor
三宅 舞
遠隔授業科目
/Online Course

担当教員情報/Instructor Information

教員名
/Instructor
教員所属名
/Affiliation
三宅 舞 ドイツ語学科/GERMAN
授業の目的?内容
/Course Objectives
<目的>
この授業は、外国語学部の学位授与方針(DP)および教育課程の編成?実施方針(CP)が示す「修得された高度な語学能力を活かし、ドイツ語圏の言語?文学?思想、芸術?文化、歴史?現代社会など、多様な領域に関する横断的な知識を養い、全人的な教養を身に付ける」ことを目的とする。
 この目的のために、これまでに修得したドイツ語能力を確認しながら、比較的複雑な構造のドイツ語テクストを精読し、それを日本語でまとめ直す練習を重ねることでテクストの読解力を高めることを目指す。また、クラス全体でテクストの構文や内容について互いに発表したり議論し合うことで、テクストを基にした論理的な論述と議論の力を養う。

<内容>
イロニー(Ironie、英語ではアイロニー〔irony〕)は、日本語ではよく「皮肉」や「あてこすり」などと訳されることが多いが、日常会話や弁論などの言語表現のみならず、演劇における表現方法や演劇作品そのものの構造を示す用語としても扱われる。その際に「イロニー」が意味する作用は多用であり、その解釈も時代や思想家によってさまざまである。演劇の分野においてよく論じられるものとして「ロマン主義的イロニー(romantische Ironie)」および「ドラマ的イロニー(dramatische Ironie)」があるが、演劇学者のJens Roseltはその著書 "Die Ironie des Theaters"において、それら重要なイロニー論を概観しながら、現代演劇を考察するうえでさらに「演劇的イロニー(theatrale Ironie)」という観点を提案している。そのことによりRoseltは、書かれたテクスト(戯曲、ドラマ)の構造としてだけでなく、「上演(パフォーマンス)」としての演劇が持つイロニーの構造を見極めるとともに、演劇上演が観客へ及ぼす影響についての考察を深めている。本授業では、この "Die Ironie des Theaters" を精読し、ドイツ語圏における現代演劇を考えるうえで重要なイロニーの概念を理解することを目指す。
 春学期では、本書の前半部分(言語的なイロニー、美学におけるイロニー論、具体的な上演作品分析を含む)を中心に講読する。
授業の形式?方法と履修上の注意
/Teaching method and Attention the course
?授業は対面で行う。ただし、特別な事情で授業に参加できなかった履修者で、事後に授業録画を視聴したい場合は、教員に申し出ること。欠席理由が正当と認められた場合、授業録画の視聴を許可する。
?講読テクストや関連資料はmanaba経由で配布する(購入不要)。
?履修者は、自分の担当箇所についてクラス全体に向けて和訳および自分なりの内容理解を発表する(ただし、履修人数によっては輪読形式〔教員が毎回ランダムに当てる学生が2~3文ずつ程度訳と文法説明をする〕を取ることも検討する)。初回授業で担当箇所の割り振りを決定するので、初回授業には必ず出席すること。
?発表については、自分で単語の意味を調べたり文法構造を考えたうえでの訳を行なっているかどうかを評価基準とするが、全体的な内容把握のためにAI翻訳や機械翻訳を補助的に活用することは妨げない。毎回の授業で読む分量は多くなる予定なので、細かい語彙や文法構造よりも、内容的な理解ができているかどうかを重視する。場合によってはAI翻訳による和訳との比較検証も行いながら進める。
?発表担当者以外の履修者も、講読箇所を予習すること(「予習」とは、分からない単語の意味を調べたり、テクストの文法構造を自分で考えたうえで、文章全体の文脈や内容を理解しておくことをいう)。発表の後、発表者以外の参加者からの積極的な質問やコメントを歓迎する。
?授業では、テクスト内で扱われている演劇作品や人物に関連する映像資料や画像などを皆で鑑賞する時間も設ける。また、必要に応じてグループや全体で内容に関するディスカッションを行うこともありうる。
?毎回の授業後には、予習時に作成した和訳を授業の内容を受けて修正したものをmanabaの「レポート」ページで提出してもらう。
?提出物は個別に返却しないが、全体に向けたフィードバックを次回授業内で行う。

※Aクラスに分類される授業であり、未修クラスで「応用ドイツ語Ⅱ」や「総合ドイツ語Ⅳ」の成績が「A」以上の学生と既修クラスの学生を主な対象とする。但し、未修クラスの学生で成績が「B」以下でも履修可。
事前?事後学修の内容
/Before After Study
事前:講読予定の箇所について、必ず予習(単語の意味を調べる、文章の文法的組み立てを確認する)をしておく。発表担当者については、自分の発表準備をする。(2時間)

事後:授業内容を復習し、それを基に講読箇所の和訳をmanaba経由で提出する。(2時間)
テキスト1
/Textbooks1
書籍名
/Title
Die Ironie des Theaters
著者
/Author name
Jens Roselt
出版社
/Publisher
Passagen Verlag
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
講読箇所をmanaba経由で配布するため、購入不要。
テキスト2
/Textbooks2
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
テキスト3
/Textbooks3
書籍名
/Title
著者
/Author name
出版社
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等1
/References1
書籍名/???名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
適宜指示あるいは配布する。
参考文献等2
/References2
書籍名/???名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
参考文献等3
/References3
書籍名/???名
/Title
著者
/Author name
出版社/URL
/Publisher
ISBN
/ISBN
その他(任意)
/other
評価方法
/Evaluation
発表(準備度合いと発表の内容):50%
授業内で講読した箇所の和訳(提出の有無とその内容):50%

なお、全14回のうち(特別な理由なく)5回以上欠席をした履修者は自動的に評価が「F」になりますので、注意してください。
関連科目
/Related Subjects
備考
/Notes
?テキストはmanaba経由で配布する。
?履修者数や途中の進度によっては授業スケジュールを変更することがある。
到達目標
/Learning Goal
専門的なドイツ語テクストを講読し、芸術?文化に関する分野について背景知識を含めて総合的に研究し、分析を行い見解を提示できるようにする。

/Time
授業計画(主題の設定)
/Class schedule
授業の内容
/Contents of class
事前?事後学修の内容
/Before After Study
1 オリエンテーション、発表担当者の決定 授業の進め方および履修上の注意点についての説明、発表担当者の決定、動画鑑賞 事前:シラバス内容の確認
事後:授業内の説明内容の再確認、manaba上で講読テクストの確認(2時間)
2 イロニー論への導入 テクスト講読、関連資料(動画、画像など)鑑賞 事前:講読箇所の予習、発表者は発表準備(2時間)
事後:授業で講読した箇所の復習と訳?コメントの提出(2時間)
3 クリストフ?マルターラー「ゼロ時(Stunde Null)」分析① テクスト講読、関連資料(動画、画像など)鑑賞 事前:講読箇所の予習、発表者は発表準備(2時間)
事後:授業で講読した箇所の復習と訳?コメントの提出(2時間)
4 クリストフ?マルターラー「ゼロ時(Stunde Null)」分析② テクスト講読、関連資料(動画、画像など)鑑賞 事前:講読箇所の予習、発表者は発表準備(2時間)
事後:授業で講読した箇所の復習と訳?コメントの提出(2時間)
5 クリストフ?マルターラー「ゼロ時(Stunde Null)」分析③ テクスト講読、関連資料(動画、画像など)鑑賞 事前:講読箇所の予習、発表者は発表準備(2時間)
事後:授業で講読した箇所の復習と訳?コメントの提出(2時間)
6 クリストフ?マルターラー「ゼロ時(Stunde Null)」分析④ テクスト講読、関連資料(動画、画像など)鑑賞 事前:講読箇所の予習、発表者は発表準備(2時間)
事後:授業で講読した箇所の復習と訳?コメントの提出(2時間)
7 クリストフ?マルターラー「ゼロ時(Stunde Null)」分析⑤ テクスト講読、関連資料(動画、画像など)鑑賞 事前:講読箇所の予習、発表者は発表準備(2時間)
事後:授業で講読した箇所の復習と訳?コメントの提出(2時間)
8 言語的イロニー テクスト講読、関連資料(動画、画像など)鑑賞 事前:講読箇所の予習、発表者は発表準備(2時間)
事後:授業で講読した箇所の復習と訳?コメントの提出(2時間)
9 イロニーと美学①:シュレーゲルにおけるイロニー テクスト講読、関連資料(動画、画像など)鑑賞 事前:講読箇所の予習、発表者は発表準備(2時間)
事後:授業で講読した箇所の復習と訳?コメントの提出(2時間)
10 イロニーと美学②:ゾルガーにおけるイロニー(前半) テクスト講読、関連資料(動画、画像など)鑑賞 事前:講読箇所の予習、発表者は発表準備(2時間)
事後:授業で講読した箇所の復習と訳?コメントの提出(2時間)
11 イロニーと美学③:ゾルガーにおけるイロニー(後半) テクスト講読、関連資料(動画、画像など)鑑賞 事前:講読箇所の予習、発表者は発表準備(2時間)
事後:授業で講読した箇所の復習と訳?コメントの提出(2時間)
12 イロニーと美学④:ティークにおけるイロニー(前半) テクスト講読、関連資料(動画、画像など)鑑賞 事前:講読箇所の予習、発表者は発表準備(2時間)
事後:授業で講読した箇所の復習と訳?コメントの提出(2時間)
13 イロニーと美学⑤:ティークにおけるイロニー(後半) テクスト講読、関連資料(動画、画像など)鑑賞 事前:講読箇所の予習、発表者は発表準備(2時間)
事後:授業で講読した箇所の復習と訳?コメントの提出(2時間)
14 まとめ 学期をつうじて学んだことの振り返りとディスカッション 春学期を通して学んだことについて各自が復習する。

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